ありがとうございました
古くからのお客様がお亡くなりになりました。
私がファイナンシャルプランナーになるよりもずっと前、
職を転々とした挙句に保険業界に入ったとき、その方は、妻の当時の職場の先輩で、
職を転々とする夫を持つ私の妻を気遣って、
「あなたのご主人、だいじょうぶ〜?」
「私の自動車保険、お願いしよっ」
以来、
「今度のボーナス、使う予定ないから・・・」
「簡易保険が満期になったから・・・」
と言っては、その頃の私の成績を気にしてくれました。
何の信用もない、いや全く信用のない当時の私を、
その方の後輩である私の妻の小さな信用だけで、
無条件で受け容れ、応援し続けてくださいました。
定年まで、あと一年でした。
闘病中だったこの春、その方の夫の退職金や保険の満期金などの相談で呼ばれ、
プランを依頼されたばかりでした。
「これからは、自分のために、使う計画をしっかり立てましょう」
と私はお答えしていたのですが、
今から思うと、私が呼ばれた本当の理由は、
ご自分の命を予期して、
家族のために身の回りの整理をしようとしていらっしゃった
そう思えてしまうのです。
これから恩返ししなきゃ、と思っていましたが、ぐずぐずしていた私でした。
その方の命に間に合いませんでした。
せめて、のこったご家族に、精一杯のお役立ちをしたいと思っています。