夫婦の年金、離婚は損か得か
9月最後の土日に大阪で開催された、年に一度のFPフェアに行ってきました。
ファイナンシャルプランナーの知識の研鑽やスキルアップの場として、日本FP協会が主催するものですが、今年のゲストは、竹中平蔵、木村剛、藤巻健史、と結構充実していました。
(ゲストの方々のお話から私なりに学んだことについては、エムプランのニュースレターで近いうちにご紹介しますね)
ところで、
ほかに私が受講したセッションの一つに、
「夫婦の年金を考えよう〜熟年離婚・したらこんなに損〜」 というテーマのものがありまして、今年から可能になった離婚夫婦の公的年金の分割制度について、女性の社会保険労務士の方がお話をされました。
まぁ、話の大部分は制度の解説だったのですが、その講師が節々で
「たとえ年金分割しても、離婚すると女性は損だ」
「だからやっぱり離婚はしない方がよい」
というトーンでお話をされていたのがとても気になりました。(いや、とっても残念でした)
確かに 「離婚しない」 よりも 「離婚する」 方が、年金受給額はとても少なくなるのですが、
でも、それは 比べ方に問題がある と私は思うんです。
「年金分割制度ができる前」 よりも 「年金分割制度ができた今」 の方が、離婚した女性の受け取る年金額はずっと大きくなりました。(もちろん、受給要件を満たしていれば)
今まで、経済的な問題が大きな障害となって夫婦関係の解消に踏み切ることができなかった多くのみなさん、その問題は今、相当小さくなったかもしれませんよー。
私は決して「夫婦関係の解消」をお奨めするのではありません。けれど、
「離婚したら損」 と考えるのか、
「離婚して失うものは前よりも小さくなった」 と考えるのか、
それを左右するのは、たぶん、
離婚というハードルを越えてチャレンジしようとする「人生」の
「私にとって」の価値の大きさ次第
それに、
本当は 経済的な損得だけは判断の材料にはしたくない のが「離婚」でしょ。
・・・であれば、「年金分割」は一歩前進。
相談に来られた方には、そこのところを正しくお伝えしたい
・・・と私は思いました。
・・・デシタ。